君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
思ってる以上に女々しいんだって。

「そんな奴だから。...だから大杉君に運命の人が現れるまで、仕事面だけでもサポートよろしく頼むよ」

そう言うと木村さんは右手を差し出す。

「...はい」

差し出された手を握りしめる。

それはもちろん変わらない気持ち。
副社長が仕事に集中できるよう、しっかりとサポートしていきたい。

「さて、そろそろ大杉君を解放してあげないと三田君に潰されちゃうな」

「あっ...!」

そうよ!ただでなくても体調悪いのに!

「私がうまく連れ出してくるから。ここで待ってて下さい」

「...すみません」

きっと私と三田社長の間柄もお見通しなのかもしれない。
木村さんにお願いして、背後に広がっている夜景を見つめる。

「綺麗...」

ネオンの光。動く車のライト。その一つ一つが今のこの景色を作り出している。

夜景を見ていると、あのプロポーズされた日の夜を思い出す。

圭吾さん...もう家にいるかな?

きっといるよね。

時計を見ると九時過ぎ。さすがに家に着いてるだろう。

「櫻田さん、ちょっと!」

そんなことを考えながらも夜景を見ていた時、聞こえてきた声。

すぐに振り返ると、そこには木村さんとボーイさんに両脇から抱えられた副社長の姿があった。

「副社長!?」

慌てて駆け寄る。

ぐったりしていて、苦しそうな表情。

「副社長、しっかりして下さい!大丈夫ですか!?」

額に触れると熱い。
絶対これ熱が上がってるわ。
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