君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「とにかく早く櫻田と結婚しちまえよ。色々と問題が起こる前にさ」

「あ。そういえばなんだよ、さっきから言ってた菜々子の気になる話って」

だいぶ話が反れてしまった。そうだ、ずっと気になっていた話。

「あー…うん、それなんだけどさ」

そう言うと藤原は前のめりになり、小さな声で話し出した。

「いやさ、亜希子が変なことを言っててさ」

「橘が?」

橘と菜々子は同期入社同士で、今も関係が続いている友人の一人。そんな橘の気になる話となると、変に緊張する。
まさか俺との結婚が嫌とかそんな話じゃないだろうな。

そんな気持ちになりながらも、藤原の言葉を待つ。

「いやさ、俺もまさかとは思ったんだよ。…亜希子が言うには副社長は櫻田のことが好きなんじゃないかって言うんだよ」

「…副社長が菜々子を?」

予想していなかった話についオウム返ししてしまった。

「いや、そんなわけないだろ」

あの副社長が菜々子を?

「だろ?俺も最初聞いたときは思わず笑っちまったんだけどさ。女の勘をなめるなって怒られてさ。…それに今の俺の秘書の子にも聞かれたんだよ。櫻田の薬指の指輪の相手は、本当は副社長なんじゃないですかって」

「そんなわけないだろ?」

あれは俺が菜々子に渡した指輪だ。

「なんでも秘書課の一部の間で噂になってるらしいぜ?櫻田がなかなか結婚しない理由は、相手は副社長だからだって。そうしたら異例の出戻り大抜擢にも納得できるからな」
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