君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「…ごめん、なさい。スマホの充電切れちゃってて、副社長体調悪くて…」

「え?」

怯えたように途切れ途切れ話す菜々子に我に返る。

「…私も、こんな遅くなるとは思わなくて…。でも副社長を放っておけなかったし…」

「…悪かった」

涙目になる菜々子を見ていられなくて、もう一度抱きしめた。

すると菜々子は「俺は悪くない」と言わんばかりに何度も首を振る。

なにやってんだよ、俺。
みっともなく嫉妬して余裕なくして、菜々子を怖がらせて。
菜々子はただ仕事してきただけなのに…。

「とりあえず帰ろう。車で来てるから」

ーーーーーーー

ーーー

「…そうだったのか」

あれから家に戻り、菜々子に全て聞いた。

「ごめんなさい…。ただ副社長を放っておけなくて…」

分かっている。菜々子は秘書として一生懸命仕事をしていて、それで高熱の副社長を家まで送り看病してきたって。当たり前なことだと思うし、上司や同僚の立場だったら誉めるべきことだ。
だけど俺には無理。そんな菜々子を誉めることなんてできねえよ。

少し距離をとってソファーに座っている菜々子の身体をそっと引き寄せ、そのまま抱きしめた。

「…あのさ、菜々子。ちゃんと分かってる?」

「え?」

なんのことか分からない。そんな顔で俺を見る菜々子。
その無防備な唇に吸い付く。

「…ッン!」

そのまま口内へと深いキスをすると、聞こえてくるのは甘い菜々子の声。
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