君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「…藤原から緊張するって聞いていたけど、ここまでとは思わなかったよ…」

そう言うと本当に緊張しているようで、がっくりと項垂れる圭吾さん。
そんな圭吾さんを見ると我慢できなくなり、笑ってしまった。
だけどそんな私を怪訝そうに私を見てくる圭吾さんに、慌てて弁解した。

「あっ、違うんです!決して圭吾さんが可愛いから笑ったわけじゃなくて…!」

「可愛い?」

あぁ、しまった。つい本音を言ってしまった。

「いえいえそうじゃなくて。その…嬉しいですよ?圭吾さんが緊張してくれて」

これも本音。
だってそうでしょ?嬉しいよ。

「…本当、菜々子の前だといつも情けないところばかり見られちまうな」

「そうですか?私はそんな圭吾さんが可愛いと思いますけど」

「…ほら、やっぱり」

「あ…」

圭吾さんから大きな溜息が一つ漏れたとき、車内に流れるアナウンス。

「着いたようだな、準備しよう」

「…はい!」

一緒に荷物を荷台からおろす。

本当そんな風に思わないでほしいな。私はどんなにかっこ悪い圭吾さんでも大好きなんだから。なにがあっても
嫌いになんてなれないんだから…。

ーーーーーー

ーーー

「ここです」

「…そうか」

あれから電車を降りて、タクシーで実家へと向かった。
< 165 / 368 >

この作品をシェア

pagetop