君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
電話を切り、そのまま天井を見る。

「…菜々子なら、俺の気持ち分かってくれると思ったんだけどな」

だけどこんなにも後悔しているのは、きっと菜々子の言っていたことが正しかったから。
だからあんなにも余裕がなくなってしまった。…菜々子に冷たい態度をとってしまった。

「フッ…明日が怖いな」

あの橘のことだ。酷い言われようになるんだろうな、昔のように。

テーブルの上には二つのマグカップが置いたまま。
しばらくの間、そのマグカップを見つめたまま動けずにいた。

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ーーーー

「おはようございます、女々しい東野部長」

「……おはよう」

次の日。橘と顔を合わせると真顔でそんなことを言ってきたものだから、一瞬言葉を失ってしまった。
確かになにかしら言われるだろうとは思っていたが、さすがは橘。
相変わらずストレートすぎる。

「早速ですが本日のスケジュールの確認をさせて頂きます」

「あぁ」

すらすらと今日の予定を読み上げていく橘。今日も残業確定なスケジュール内容だ。
聞きながら自分でどれから片付けていくか手帳に記入しながら整理していると、周りに聞こえないようそっと小さな声で言ってきた。
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