君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「大貫さん…」

「あっ、ごめんなさい、さっきの言葉訂正させてください。やっぱり会うのは最後じゃないわ。絶対に二人の結婚式には呼んで下さいね。そこで私も新しい出会い見つけたいんで!」

「……はい!」

今日の大貫さんは数年前のときとは違って、無理のない笑顔を向けてくれた。
その笑顔は眩しくて輝いて見える。

そんな時、乗る便の搭乗案内のアナウンスが聞こえてきた。

「あ…行かないと。すみません、それじゃまた…」

そう伝え行こうとしたとき

「あっ!大事なこと忘れてました」

「え?」

腕を掴まれ、呼び止められる。

「圭吾に伝えてもらえませんか?...結婚おめでとう。...幸せになってねって」

そう言うと掴んでいた手をゆっくりと離す大貫さん。

「すみません、呼び止めてしまって」

「いいえ!」

再度聞こえてきたアナウンスの声。

「それじゃ本当にこれで失礼します」

「はい」

そのまま私に背を向け、歩き出す大貫さん。
その背中はあの日と同じようにピンと伸びていて、そしてそんな後ろ姿を見せられては、言えずにはいなかった。

「大貫さん!」

大きな声で呼び止めると、大貫さんの足は止まり振り返り見る。

本当はこんなこと、私に言われたくないかもしれない。それでも伝えずにはいられなかった。



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