君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「…絶対に幸せにするから」

私にしか聞こえない小さな声。
そう囁くと同時に触れる唇。

次の瞬間教会内から拍手が沸き上がって。
思わず圭吾さんと二人、顔を見合わせて笑ってしまった。

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「ちょっと菜々子!なんでブーケをあの子に取らせたりしたのよ!」

「亜希子!」

あれからフラワーシャワーでみんなに見送られて、そしてブーケトスを行なったはいいんだけど、なんと私が投げてブーケを見事ゲットしたのは中山さんだった。
そして写真撮影中、案の定怒りを露わにしながらやってきた亜希子。

「あなたのおかげで今剛さんはあんな状態になってるんだけど!」

そう言って亜希子が指さした先には、中山さんにブーケ片手に言い寄られている藤原さんの姿があった。

相変わらずな中山さん。まだ藤原さんのことは諦めていないのね。

「でもそんなこと言われても仕方ないじゃない。こればかりは私にも誰が取るかなんて分からないんだし」

「それでも許せないわ」

光太君はそんなママの気持ちに気付くはずもなく、中山さんに抱っこなんてされて嬉しそうに笑っている。

「あぁ!光太まであんなに笑って!全く!誰に似たのか、光太ったら最近若い子に異様に懐くのよ」

そんなことを言うものだからつい笑ってしまった。

「ちょっと!笑いごとじゃないわよ?」
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