君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「それはありがとうございます。ではさっさと行って下さい。…でないと今後の副社長のご予定を全て桜子に密告してしまいますよ?」

こうなったら裏の手。と思いそう言うと副社長の顔はみるみるうちに変わっていく。

「大変だ!会議に行かないと!」

そしてわざとらしく腕時計を見ながら、秘書課から出て行った。

桜子効果、絶大ね。
そんなことに関心しているとまた後輩たちが寄ってきた。

「さすがです。尊敬します!やっぱり副社長の秘書は櫻田さ…じゃなくて東野さんしかいませんね!」

「…ありがとう」

素直に喜べないわ、なんか。

「そうだ!ずっと聞きたかったんですけど是非教えて下さい!あの完璧で女嫌いな東野部長を落とした方法!」

「え…」

「そうですよ~参考にしたいし」

そう聞いてくるみんなについ口元が緩んでしまう。

「方法ねぇ…」

みんなの目が私の次の言葉に期待しているのが伝わってきて、もうちょっとみんなで遊びたいところだけど、そろそろ仕事が始まる時間。

「それはね、秘密」

「えー!そんな」

「それはないですよー」

落胆するみんなに笑いながらも準備を進める。

「ほら、早くさないとチャイムが鳴るわよ?」

「…はーい…」
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