君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
それからなんの問題もなく食事が進み、テーブルマナーで失敗することもなく、会話も弾んでいた。

そんな雰囲気に少しずつ緊張がほぐれてきた時、鳴り出した圭吾さんのスマホ。

嫌な予感がする…。

その嫌な予感は見事に的中してしまったようで、スマホ片手に「悪い」とレストランを出て行ってしまった。

そして置き去りにされる私…。
こんな急に三人にされても一体なにを話したらいいのか分からない。

でもそう思っていたのは私だけだったようですぐに聞こえてきた声。

「菜々子さん、あの子はちゃんと仕事やってますか?」

そう聞いてきたのはお父さんだった。

「あっ、はい!それは勿論です!みんなに尊敬されるくらいです」

「そうですか…」

私の話を聞き、安心したように笑うお父さん。

「あの子、ちゃんと菜々子ちゃんに優しい?冷たくされていない?」

次にそう聞いてきたのはお母さんだった。

「全然です!…凄く優しいです」

「そう。…圭吾には昔から女性関係には悩まされてきてね、心配だったの。遊んでばかりいると思ったらぱったり話をきかなくなっちゃって。毎月のようにお見合い写真を送っても返事はノーだし、まさか男に走ったのかと心配で心配で…」

お母さんの気持ち分かるかも。


< 302 / 368 >

この作品をシェア

pagetop