君が好き。2～大好きな彼と結婚する方法～
好きなんだ。～桜子の恋愛事情～

こんな私…大嫌いだ

昔から自分の名前が大嫌いだった。
『桜子』なんて、いかにも女の子っぽい名前がｰｰ。

“男だから”とか、“女だから”とか...。
そういった小さな型にはまるのが大嫌いで、子供の頃からずっと自由でありたかった。

『女らしくしろ』とか『女の子なんだから』とか。
そういったもの全てが煩わしくて仕方なかった。

どうせ誰も本当の私を見てくれない。だからきっとそんなことばかり言うんだ。
常にそう思っていた。

上返だけの女友達なんていらない。だってみんな私を知ると離れていくから。
『一緒にいても楽しくない』『桜子ちゃんってなんか違うよね』って言いながら。

だけど出逢っちまったんだ。ありのままの私を受け入れてくれた友達に。

菜々子は、最初から私のことを受け入れてくれた。
こんな私を“親友”だと言ってくれた。
可愛くて、笑顔が似合って、優しくて。
私にないものばかり持っている菜々子が、大好きで。
一緒にいると楽しくて。
それから翔太とも自然と仲良くなり、翔太も翔太なりに悩みを抱えていると知って、私と同じなんだって分かった。


菜々子と一緒にいると、自然と笑えて、悩みなんて無にできちまうんだ。
< 304 / 368 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop