君が好き。2～大好きな彼と結婚する方法～

「今の桜子、本当に綺麗だよ？だから自信持って。……恋愛ってきっと自信を持つことが一番大切だと思うから。副社長の隣にいても負けないくらい素敵」

「菜々子……」

菜々子は気付いていたんだろうか。
私がずっと悩んでいたことを。だからこんなこと―……。

そう思うと、嬉しさのあまり涙が零れそうになる。

「わぁ～桜子泣かないの！泣いたらせっかくのメイクが台無しになっちゃうじゃない！」

「だっ、だったら泣かすようなこと、言うんじゃねぇよっ！」

鼻を啜り、涙を拭う。
そんな私を見て、菜々子は大きな溜息を漏らし、ポツリと言葉を漏らした。

「……やり直し」

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「やっべ！ギリギリになっちまった！」

菜々子に化粧を直してもらっていたら、待ち合わせ時間、ギリギリになってしまった。
慣れないヒールに、慣れないワンピース。
本当は全力疾走で和也君との待ち合わせ場所に向かいたいのに、それを邪魔する女子力アイテム。

それに菜々子にあまり走ると、せっかくセットした髪の毛がぐちゃぐちゃになっちゃうからねって言われた手前、本気で走ることができない。