君が好き。2～大好きな彼と結婚する方法～
正直、ちょっと信じられないけど。
でも菜々子がこうやって私のために色々してくれているのは、嬉しいって思う。
一生懸命化粧してくれている菜々子を見ると、つい口元が緩んでしまう。

「あぁ！もう桜子ってば！口紅塗っている時に、笑わないの！！」

「ごっ、ごめん……」

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「……これが私…？」

「どう？すごいでしょ？」

あれから菜々子にされるがまま、服を借りてヘアーセットまでしてもらって。
そして鏡に写る全身コーディネートを終えた自分を見て、ついそんな言葉が漏れてしまった。
背後にいる菜々子は、得意気な顔をして、鏡に写る私を見つめていた。

「……化粧ってすげぇな」

まるで別人みたいだった。
化粧もそうだし、髪型や服装だけで人ってこんなにも変わるもんなんだ。

「これなら絶対副社長も驚くに決まってるよ」

「…そう、かな？」

本当に和也君も驚いてくれるだろうか。
少しは私のこと、意識してくれるだろうか……？

最初は信じられなかったけど、今なら信じたい。
鏡に写る自分で、少しくらい和也君が見惚れてくれるんじゃないかって。
少しは、女として意識してくれるんじゃないかって。
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