君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
フラフラとした足取りのまま、駅へと戻って行く。

よくよく考えれば、予想できたはず。
菜々子とほぼ一日中一緒に仕事してんのに、菜々子の魅力に気付かないわけねぇんだって。
だけど、そっか……。

和也君は菜々子が好きなのか……。

「……本当、なんでだよ」

菜々子以外の人なら、誰でもよかった。
和也君が誰を好きでも、頑張ろうって思っていた。
でも、菜々子なんて――。

敵うわけねぇじゃん。
だって私、菜々子以上にいい女なんて、知らねぇし。
菜々子以上に好きだなって思える、女友達なんていねぇんだから。

そうさ……。
昔からずっと憧れで、大好きだったんだ。
そんな菜々子に、私なんかが勝てるわけねぇんだ。


休日の空いている電車に乗り込み、以前フラフラとした足取りのまま自宅へと戻って行った。

< 353 / 368 >

この作品をシェア

pagetop