君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
和也君のことは好き。
でも、菜々子も大好き。

そして、和也君は私が大好きな菜々子が好き――。

この事実に頭がついていかねぇ。
和也君の好きな人が、菜々子で友達としては嬉しい。でも、片思いしてる相手の好きな人が菜々子なんて、悲しい
……。
悲しいし、悔しい。
でも菜々子を恨みたくねぇ。
だって菜々子はなにも悪くねぇし!!
そうは分かっていても、今菜々子と会ったり話したりしたら、絶対私はみっともなく菜々子に嫉妬しちまうに、決まっている。

そう思うと、菜々子に会うのが怖い。
電話にも出られない……。

翔太にだって同じだ。どこにぶつけていいか分からない怒りを、きっとぶつけちまう。
だから頼れない。

和也君に会ったら……きっとぶちまけてしまうと思う。
『なんでよりにもよって、菜々子なんだよ』って――。

女は嫌いだ。
昔から小さなことでウジウジしてたし、陰口ばっかだったし。
でも、今の私はきっとそんな女に成り下がっている。
みっともなく嫉妬して、自分勝手な感情で電話にも出ないでいて。
心配かけている。

こんな自分になんて、絶対なりたくなかったのに、な……。
大人になってからなるなんて、おかしすぎだろ。
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