君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
...今聞いても大丈夫かな?

藤原さんのこと。
月曜日、藤原さんの口から話を聞く前にちゃんと橘さんからも聞いておきたいし...。

よし!


「...ねぇ、橘さん。あの、さ...」


どうしよう。なんて切り出したらいい?
ストレートすぎるのもどうかと思うし、かと言って回りくどいのもどうかと思うし...。

言葉がなかなか出てこない。

すると隣にいる橘さんか急に笑い出した。


「もー。櫻田さんって本当に分かりやすい人よね。...聞きたいんでしょ?私と剛さんのこと」


「うっ、うん...。ごめんなさい。なんて切り出していいか分からなくて...」


「ううん。いいのよ。...私だって櫻田さんと逆の立場だったら、同じ気持ちだと思うから。...私ね、ずっと昔から剛さんのことが大好きだったじゃない?だからね、私の中では結婚が恋愛のゴールだとずっと思っていたの。...結婚したら私は一生彼と一緒にいられて、毎日幸せに暮らせるって。そう思っていたわ」


...分かるな。その気持ち。私も思うもの。女にとって結婚は恋愛のゴールだって。


「だけどね、櫻田さん。結婚はゴールなんかじゃないのよ」


「えっ...」


さっきとは正反対な言葉。


「だから結婚はゴールなんかじゃないの。...結婚したって剛さんは剛さんだったの。...私だけのじゃない」


そう言うと橘さんは大きな溜め息を漏らした。


「えっと...。ごめんなさい。よく意味が分からないわ」


だって橘さんも藤原さんも二人ともお互いのこと大好きで。藤原さんは橘さんの旦那様。
なのになんでそんなこと言うの?


「...結婚して光太が生まれて。私、幸せだと思うわよ?だけどね、時々堪らなく淋しくて不安になる時があるの。男の人には付き合いがあるって分かってるし、それも仕事だってことは理解しているつもり。...だけどいつ帰ってくるか分からなくて。光太はまだまだ夜泣きするし、一日中一人でいると辛い時があるの。凄く悲しい気持ちになる時があるのよ」


橘さん...。


そう言えば地元に戻っている間、何人かの友達は結婚していて子供がいて。
みんな愚痴っていたな。
旦那さんが子育て手伝ってくれない。
私だって働きたい。たまには夜遊びに行きたいって。
そんな時、愚痴を聞いてくれる大好きな人がいつもいなかったら、寂しいし辛いよねきっと。
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