君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「...藤原さん、それって自分の部下としての平等な優しさですか?」


「当たり前だろ。他に何があるって言うんだ」


だめだ。全然分かっていない。これじゃ中山さんの思う壺じゃない。


「元部下として言わせて貰いますけど、ちょっと中山さんに深入りしすぎじゃないですか?それに上司として相談を受けたんなら他にも上司として対処する方法だってあったはずです。秘書課のチーフに相談して落ち着くまでの間、秘書から外してもらって残業の少ない秘書課勤務にさせるとか、自宅がばれているんだから社宅に引っ越せるよう手配するとか」


いくらでも他に方法はあったはずでしょ?


「それは俺も考えたさ。...だけど中山さんは個人的な理由で仕事を放棄したくないって言っていて...」


「だからそれが深入りしすぎだと言っているんです。藤原さんが責任感をもって仕事をすることをモットーにしているのは充分承知しています。だから中山さんにも負けずに頑張って欲しい。フォローしたいと思ったのは分かりますけど、それは上司として正しい判断ですか?」


「それは...」


図星だったのか言葉に詰まる藤原さん。


それに話を聞いていてずっと引っ掛かっていたことがある。


「そもそも中山さんは本当にストーカー被害にあっていたんですか?」


「...どういう意味だ?」


だってそうでしょ?


「話を聞いていると、確証がないんですよね?それに藤原さんが送っていく時はそんな気配もない。...私も中山さんとは何度か会社で顔を合わせていましたけど、そんな事情を抱えているようには見えませんでしたよ?」


「普通はそうだろ?気丈に振る舞うもんだろ」


「いいえ。私だったら常に怖いって思ってますきっと。だって元カレで自宅まで知られていたなら会社だって当然知っているはずですよね?外回りの時だって周りが気になって仕方ないと思います。...どうだったんですか?そこらへんは」


「......」


私の言葉に考え込んでいる様子。

第一追いかけられて、橘さんに宣戦布告メールを送るなんて普通の人の感覚から言ったら有り得ないわ。
どう考えても本当にストーカー被害にあっているとは思えない。


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