君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「...いや、やっぱり俺には彼女が嘘ついているとは思えない。普段の彼女を知らないからそう思うだけだろ?...あまり自分の評価を下げるようなこと、言わない方がいいぞ」


なっ...!
どこまでバカなのよ!


「とにかく亜希子に一度会いに行ってもいいか?そんな理由で離婚されたらたまったもんじゃない」


勝手に話を終わりにしたつもりでいるのか、車のエンジンをかける藤原さん。


私はすぐにシートベルトを外した。


「こんなバカな夫に橘さんは渡しませんよ?」


「は?」


そのままドアを開け、車から降りる。


「おい、櫻田!」


頭にきた。


「藤原さん。あまり女を甘く見ない方がいいですよ。...まぁ、藤原さんのその節穴の目じゃ見えるものも見えないかもしれないですけどね!」


語尾に嫌味をこれでもかってくらい込めて、同時に車のドアを思いっきり閉めてやった。

するとすぐに窓が開けられ、藤原さんが顔を出す。


「おい櫻田。どういう意味だ」


「そのままの意味ですよ!最後に後悔するのは藤原さんですからね。私はもうどうなっても知りません!....だけど何があっても橘さんと光太君だけは今の藤原さんに会わせませんから!」


そう言い捨て、この場を後にした。
後ろから藤原さんが私を呼ぶ声が聞こえてきたけど、一度も振り返ることなく歩く。


もう遅刻したって構わない。あんな男とこれ以上一緒にいられるものですか!


「...藤原さんのバカ」


藤原さんが好きなのは橘さんだけでしょ?
なのになんで一番に考えてあげることが出来ないのよ。部下だから?それだけの理由で他の女性と一晩一緒に過ごせるものなの?既婚者なのに...。

自分の立場に置き換えるとやっぱり悲しい。
そして考えずにはいられない。
結婚ってなんなんだろう。って。

本当に橘さんの言う通り、結婚がゴールなんかじゃないのよね。
なのになんでみんな結婚を夢見るんだろう。

さっきまであんなに早く進んでいた私の足は急激にスピードダウンしてしまった。


そして見上げてしまう空。
同じ空の下にいる圭吾さんのことを考えてしまう。


「...圭吾さんは、藤原さんみたいなこと、してません、よね?」


一緒にいられなくて職場も生活環境も違って。
私は向こうで圭吾さんがどんな生活を送っているのかよく分からない。



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