君が好き。2～大好きな彼と結婚する方法～

さっきは怒りに任せて藤原さんにあんなこと言っちゃったけど、このまま橘さんと会わせないわけにはいかないことくらい、ちゃんと分かっている。


「相田さん...。今はまだ二人を会わせるべきじゃないですよね？」


「そんなの当たり前じゃない。剛がダメすぎる。すぐ離婚になっちゃうわよ」


相田さんの怒りはまだ収まらない様子。


「...私にできることって、何があるんでしょうか」


「えっ？」


ふと聞いてみたくなった。


「相田さんが私の立場だったら、どうしてますか？」


私より人生の先輩で、圭吾さんと大貫さんとのことでも色々な経験をしてきた相田さんなら、どうするんだろう。


「うーん...。難しい質問だね、それ」


「すみません。でも気になってしまって...」


「そうだなぁ。...私が菜々子ちゃんの立場だったら、取り合えず菜々子ちゃんと同じ行動してたかな？」


「えっ...」


私と同じ？


「大好きな友達が苦しんでいたら、やっぱり全力で助けるでしょ？...それとこれからこうしようって考えたことは、菜々子ちゃんと同じだと思う。...私は自分の信じたまま友達のために出来ることをすると思うよ？」


「相田さん...」


その言葉に大きく背中を押された気がした。
周りのことなんて気にしないで私は私が感じるまま行動していいんだよって。


「あっ、ヤバイ！そろそろ戻らないと！」


思い出したかのように慌てて残りのパンを口に頬張る相田さん。


「実はこっそり気分転換に抜け出して来ちゃってたんだ。なかなかアイディアが浮かばなくてさ」


そうだったんだ。


「なんか、そんな時に話を聞いてもらってしまってすみませんでした」


「ううん、全然！久し振りに菜々子ちゃんに会えて良かったし剛のバカさ加減も知れて良かったし。...それにいい気分転換になったよ」


そう言って笑う相田さん。