君が好き。2～大好きな彼と結婚する方法～
イライラしながらも泣いている光太君の元へと駆け寄る橘さん。


「光太、ごめんね。大きな声出しちゃって」


そう言ってそっと抱き抱えられた光太君は次第に泣き止んでいく。


「あの、橘さん...」


「本当は分かっているわよ。櫻田さんは私のためにしてくれたんだろうなって」


「えっ...？」


「だから余計に腹が立つのよ。私のために罰せられちゃって。どうしようもないお人好しで！...だけど、櫻田さんがしてくれたことが凄く嬉しいって思っちゃった自分に一番腹が立つの！」


そう言うと橘さんの瞳からはいつの間にか大粒の涙が溢れていた。


「橘さん...」


そんな姿を見せられてしまったら座ってなんていられなくて、橘さんの元へと歩み寄る。


「別に放っておいてくれていいのに。私と剛さんの問題なんだからただここに住ませてくれるだけで充分なのよ」


「うん...」


橘さんの涙は止まることなく流れ続ける。


「なのにお節介してくれちゃって。...バカみたい」


そうかもしれない。


「確かに橘さんの言う通りバカかもしれない。だけど私はバカのままでも全然いいわ」


いまだに泣きながら眠る光太君を抱いている橘さんにそっと抱き付く。


「だって大切な友達がピンチの時になにもしない方が大バカだと思うから。...お願いだから藤原さんと離婚なんてしないで。本当は藤原さんのことが大好きで別れたくなんてないんでしょ？」


「櫻田さ...」


「分かるわよ。橘さんの気持ち。だってずっと一緒に片想いしてきた中間だし。...嘘をつかれて悲しくて。許したくなかったんでしょ？でも、本当は別れたいなんて思っていない。...違うかしら？」
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