君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
ダメだ。ここで押さえないと。


「本当にそれだけの理由でお呼びになったんですか?」


「だから最初からそうだって言ってるじゃない。櫻田さんに会いたかったって」


悪そびれた様子もなくにこにこと話す副社長に溜め息が漏れる。


「なら私はこれで失礼します。あと二日自宅謹慎が残っていますので」


「そっかー。あと二日もあるのか。どうにかなんないのかなぁ。二日くらい」


副社長とは思えない発言に思わず身体の力が抜けてしまった。


「どうにかなるわけないじゃないですか。それにどうにかなってしまったら、大変なことになると思います」


「まぁ、それもそっか。...じゃあ寂しいけど残り二日一人寂しく仕事を頑張るとするよ」


全く。副社長の発言はどこまでが本気でどこまでが冗談なのか分からないわ。



「申し訳ないですが二日間一人寂しくお仕事頑張って下さい」


「...櫻田さん、俺の扱い方慣れてきたね」


「おかげさまで。では失礼します」


「うん、またね」


そう言ってにこにこ顔で手を振る副社長に一礼し、部屋を出る。


「はー...。疲れた」


何事かと思ったら...。

重い足取りのまま副社長室を出る。


「信じられないわ、全く」


何が会いたかった。顔が見たかった。よ!


エレベーターに乗り、一階ボタンを押す。


そんな風に言って欲しいのは、世界でただ一人だけなんだから...。


エレベーターを降りると、しんと静まり返っていて灯りも所々しか点灯しておらず薄暗い。


そんなオフィスをゆっくりと歩いていく。


窓の外を見ればすっかり日は沈んでおり、街灯が綺麗に輝いていた。

そんな街灯をつい見つめてしまい、足が止まる。


「圭吾さん...。今なにしているのかな?」


同じ会社にいた時は片想いしてた時から、必ず一日一回は姿を見ることが出来て。
毎朝、受付で圭吾さんが出社してくるのを待っていた。

秘書課に転属してからは、毎日仕事に追われてなかなか姿を見ることが出来なくて。見れた日には嬉しさのあまり手帳にハートマークなんて書いちゃっていたっけ。


...それから色々あって。本当に色々あって。


「...ダメだ。帰ろう」


電話がないだけで何を今さら悲観的になっちゃってんだろう。
そんなの違う国に暮らしているんだから当たり前なことだし、今までにだって何度かあったじゃない。

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