オモイデバナシ
え?そうなのか?

それは知らなかった。

「私が学校行ってるとね、こうちゃんが自転車に乗って、中学の制服着て、スーッと走っていくの」

そんな話をする千秋は、少し…少しだけ…憧れの眼差しのような気がした。

「なんだ、見かけたなら声かけてくれればよかったのに」

俺が言うと。

「だって」

千秋は笑う。

「こうちゃん急いでるみたいに見えたんだもん。遅刻でもしそうだった?」

あちゃ。

かっこ悪いとこを見られていたことに気づく。

遅刻しそうなのは、毎朝の事です…。

その事を千秋に話すと。

「あはは、やっぱり。早起き嫌いだもんね、こうちゃん」

千秋はもう一度笑った。

そっか、幼馴染みだもんな。

わざわざ言わなくても、千秋は俺の事何でも知ってるんだっけ。


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