オモイデバナシ
勝手に部屋に入ってきたっていうのに、被害者めいた声を上げる千秋。

「なっ、なっ、おま…何…!?」

こっちだってそりゃあ慌てる。

「と、とりあえず部屋出ろ!服!服着るから!」

俺はバタンと部屋のドアを閉めた。






着替えを済ませて階段を下りると、千秋と千秋のお母さんが、うちの母さんと玄関で話していた。

すぐ帰るから、と家には上がらず、そのまま母さんの長話でいつまでも玄関に引き止められるというのがパターンだ。

「ごめんねこうちゃん、千秋勝手に上がっちゃって」

千秋のお母さんが笑いながら言う。

その千秋はというと、お母さんの後ろでモジモジしていた。

…久しぶりの千秋の姿だった。

俺が17歳だから、今千秋は14歳か…。

いつも短く揃えていた髪が、今では肩の辺りまで伸びている。

身長も、昔よりだいぶ伸びたんじゃないだろうか。

そういう女の子らしくなった部分もある反面、日焼けした活発そうな表情は昔とちっとも変わらない。

今は部活でもやってるのかな?

母さんと千秋のお母さんが話している間、俺と千秋も分かれて話す事にした。


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