オモイデバナシ
「元気そうじゃん。中学どうだ?」

俺が言うと、ぎこちないながらも千秋は笑う。

「楽しいよ。校則がちょっと厳しいけどね」

千秋は俺が中学に入った時と同じ感想を漏らした。

「今はバレー部入ってるんだー」

「そっか、うちのバレー部強かったからなー。練習厳しいだろ?」

「うん、毎日へとへとだよぉ」

…二、三、会話を交わすと、すぐに昔の感覚が戻ってくる。

「あの先生まだいんのか?えっと…保健体育の北村先生!」

「いるいる!変だよねー、あの先生!」

きゃははは、と明るい笑い声。

そうそう、千秋と言えばこの笑い声なんだよなぁ。

本当に、こいつは楽しそうに笑う。

こっちまでつられて笑顔になるようだった。

…ふと思い出す。

一緒に中学通いたいと言っていた千秋。

結局それは無理だったけど。

こうして今、同じ中学の共有の話題で、楽しく会話できている。

千秋、これで勘弁してくれな。

ほんと言うと、俺も千秋と同じ中学行きたかったよ。


…忘れていた想いが、甦ってくる。

何だ、俺やっぱりまだ、千秋の事好きなんじゃん…。


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