オモイデバナシ
う…。

そんな可愛い表情で見られたら、一発でやられてしまう…。

「ま…まぁ…」

あくまで目線は千秋からそらして、俺は答えた。

「バイトも一日くらい休みもらえるし…確かにここ最近ずっと暑いしな」

「う…うんうん!そうだよね!暑いもんね!」

俺が肯定的なニュアンスで言うと、千秋は大袈裟に首を縦に振った。

「…行く?海」

横目でちょっとだけ千秋を見る。

すると。

「うんっ!!!!」

満面の笑みで、千秋は頷いた。







いつの間にか母さんと千秋んとこのおばさんの会話も終わっていた。

「千秋、長居しちゃった。迷惑かけちゃいけないし、帰ろ?」

「うん」

おばさんに連れられて、千秋は帰っていく。

…その時、最後に一度だけ振り返って。

『約束だからね』

そんなアイコンタクトを送って、千秋は手を振った。


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