オモイデバナシ
その後、一度だけ千秋から電話があった。

来週の土曜日、一番近場の海水浴場に行こうという段取りになった。

前回の遊園地は千秋んとこのおじさんやトモも来たけど、今回は俺と千秋の二人だけ。

完全な二人きりのデート、である。

受話器を置いた俺は、久しぶりの緊張に包まれていた。

と、ここで気づく。

「水着…」

そう、海水浴って事は、お互い水着になるんじゃないか。

いや、俺は別にいい。

中学の時水泳部だったんだから水着なんて着慣れてるし、泳ぎにも自信がある。

でも自分の事より…。

千秋の水着姿…見れるんだ…。

俺はその事を想像するだけで、一気に脈拍が倍加するような錯覚を覚えた。

千秋の水着姿だって!?

思春期の男子としては、好きな女の子の水着姿なんてのは大事件なのである。


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