オモイデバナシ
そんなこんなで土曜日。

「おはよう、こうちゃん」

朝八時、俺の家に千秋がやってきた。

「あら?千秋ちゃんおはよう。どうしたの?」

母さんが出迎える。

…実を言うと、母さんには今日の事は話していない。

別に理由はないけど…何て言うか、その、恥ずかしかったんだ。

千秋と二人だけで海水浴に行く、なんて話すのが。

「あー、母さん、いい!いい!俺が相手するから!」

俺は準備を済ませて階段から駆け下りる。

「あら、何か約束でもしてたの?」と母さん。

「いや、約束っていうかなんていうか…」

言葉に詰まる俺。

と、その横で。

「今日はこうちゃんと一緒に海水浴に行く約束してるんです」

あっさりと。

千秋が母さんに告げた。

しばらく呆けたような顔の母さん。

でも少しして。

「あらあら、まぁまぁ、そ~なのぉ~」

何が嬉しいのか、ニヤニヤしながら俺と千秋の顔を見比べた。

何が可笑しいんだよぉ…。


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