オモイデバナシ
ヘルメットの中から見えた顔。

その顔を見て、俺は思わず声を上げる。

「トモ!!?」

そう、そいつは千秋の弟、トモだった。

千秋以上に会うのは久しぶりだ。

泣き虫で気弱で、俺や千秋の後をチョコチョコついてくるしかできなかったトモ。

しかし今目の前にいるトモは、髪の毛を茶色に染めて、耳にはピアスなんかして…。

一端の男になっていた。

「なんだよー、久しぶりじゃんかトモー!!」

その再会が嬉しくて、俺は階段を駆け下り、トモに歩み寄る。

「でかくなったなー、ガキの頃はあんなにチビだったのに…しかも男らしくなってさー」

トモが見違えるようになったのは、我が弟の成長を見るようで嬉しかった。

だが。

「こうちゃん…」

トモは、決して好意的とは言えない眼差しで俺を見た。

「こうちゃんはしばらく会わないうちに、腑抜けになったんじゃないか?」


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