逆ハーレムに巻き込まれました。
(……白々しい)
私は心の中で呟きながら、胸ポケットから1枚の符を取り出した。
『切断』の魔方陣が書き込まれたそれを指で挟むと、縦に振り下ろす。
そうして現れたのは、冒険者なら無限の道具入れとして重宝している『時空の切れ目』。
その切れ目に手を突っ込むと、私は中に入れていたものを掴み出し、サクヤ先輩へ突きつけた。
「……なんですか、これは」
「あら、先輩の方がよくご存知でしょう?」
私はそう答えると、次から次へと中に入っていた物を取り出していく。
そうして、机の上に並んだのは――
「先輩、説明してください。どうしてこんなことをしたのです?」
気絶した状態でぐったりと横たわる、5匹の小型魔獣だった。
……私は笑顔を崩さないサクヤ先輩を見つめながら、昼休みにシェイド君と交わした会話を思い出す。