同期が急に変わったら…。
『かんぱーい』



楽しみにしてた、

4人の食事会。





行きつけの和食の料理屋。

今日は、鴨鍋のコース。






恵梨香は、妊婦だから、

一人だけソフトドリンク。




他3名は、ビールで乾杯した。




楽しい時間。

懐かしい、この雰囲気。

同期会。





隆也と恵梨香が並んで座り、

隆也の向かいに将生。

その隣に私が座ってる。






鍋の取り皿を、

恵梨香が私に2つくれて

将生の前に、ひとつ置いた。






仕事の会話をしている

将生と隆也。



聞こえてくる内容は本格的で、

この2人が出来るヤツだと

思わせられる。







女2人は、

サラダを取り分け、

また、将生の前にさっと置く。








サラダを食べてたら、




『いずみ、営業に残れるんだってな。』



隆也がニコニコして話す。



『うん。おかげさまで。』

『あのなー、将生なー。』

『おいっ。』





話す隆也を将生が止める。

イケメン2人が、見つめ合っている。

というか、

隆也が睨まれている。





『なんだよ、もういいだろ?

あのな、将生、企画の部長に
かなり粘ったんだぜ。

いずみを自分の
そばに置いておきたくて。

なあ?』




と、将生に振ると

将生は、隆也をまた睨んで

ビールをグビグビと飲んでいる。




『そうなの?』




と、将生に聞いてみたら、

ガン無視された。



ちょっと〜!





『隆也、お前、覚えてろよ。』





将生は、

ばつが悪そうにビールを飲んでいる。







詳しく聞けば。



なかなか折れない企画の部長に、

グイグイ攻めて。




結局、



今、次期エースの俊介を

一年間で即戦力にする為に

私を補佐から外せない。



営業の為、会社の為に、

一年間待ってほしい。



という事で

無理やり納得させたらしい。





だから、一年間、という事。





その後は、また考えればいい、と。






将生に苦労させたらしい。

ごめんね、将生。ありがとう。






『で、あんた達。
やっと、まとまったみたいね。』

『へっ?』




恵梨香のぶっこみに動揺して

変な声が出た。




『こいつら、もう知ってるぞ。』




将生は、

私の方を見てボソっと言った。





タバコを吸いながら、

平然としてる将生。





将生〜。

私、今日、恵梨香に

話すつもりだったのにー。






『まあ…。そういう事に……。』


『これで、
いずみの長〜い秘密の愛にも
やっと終止符が打てたわね。』


『ちょっと恵梨香っ。
秘密の愛って…。』


『あら、そうでしょ?』


『……そうだけど。』






ハハっと笑う隆也が。






『将生だって、そこそこ隠してたぜ。』





えー、聞いてない。

何?どういう事?





将生を見たら、

首を傾けて、

さあ?

と、言わんばかりの知らん顔をして、





『あー、俺ハイボール!』





と、通りすがりの店員に注文してる。

誤魔化したな。





そういうの、

聞きたーい!!

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