同期が急に変わったら…。
『だってよ、こいつさ。
彼女がいたら、
いずみが一緒に飯に行かなくなるって
別れたんだぜ。』



うそっ!




確かに、

将生に彼女が出来たら

2人での食事や、飲みにも

行かなかった。



将生の彼女に良くないって思って。




でも、将生は、

そんな風に思ってくれてた?

思わず、

嬉しくて、将生の顔を見る。






『こっち見んなよ。

隆也っ、お前、口軽すぎ。』





困り果てた表情をして、

額に手を当てて、

『はあっ』

とため息を漏らす将生様。






『そうだったの?』





その困った様子が新鮮で、

将生をちょいと攻めてみたら、





『さあ?どうだったかな。』




と、

とことん、とぼける始末。




否定しないのは、肯定と同じ。

この論理、採用します!!







『でね、2人を見てて
私達が我慢できなくてさ。

将生にハッパかけたのよ。
いずみに男、紹介するって。
将生よりイケメンの。』





紹介?

いつだ?




『私、紹介してもらってないけど?』


『そんな人、いないもん。』





俯きぎみだった将生が

勢いよく恵梨香の方を見て






『は?いないって何だよ?』


『ハハっ。ごめーん。
あれ、全部嘘だったのよね。』




恵梨香と隆也は顔を見合わせて

おどけて、ねー?と、笑い合う。





『ふざけんな。
今日、お前ら夫婦の奢りだな!』


『あほか?
こっちがお前らに感謝されて
奢ってもらう立場じゃねーか?』



『そんなもん知るか!』





いやいや、

佐藤夫妻、

私は感謝しております!






ちなみに。



私に紹介する架空の人物は、

取引先の若きイケメン社長。

既に私を知っていて、

気に入っている。

しかも、もろ私のタイプの男。



という、設定だったらしい。







恵梨香は、

もう、それはそれは楽しそうに、


『ねえ、いずみ。
将生、急にあんたに
攻めて来たんじゃない?』


『まあね、急に変になった。』


『いずみっ!』





今度は私が将生に止められた。




将生、今日は大変だね。

ふふふっ。
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