同期が急に変わったら…。
『おはよう』



オフィスに響く、課長の声。

いい声。




背が高くて、

イケメンで。

スタイル良くて、

仕事が出来る。




こんないい男。




私の彼なんです。




と、触れて回りたい。


出来ないけど。






将生は、

今日も忙しそうに

デスクに座ると同時に仕事を始める。






仕事をしている真剣な表情は、

なかなか萌える。







私も、頑張ろう!








『桐谷さん。』



朝のお約束。

宮野俊介。

瑠美ちゃんの思い人。




『はあ〜い?』

『あれ?ご機嫌ですね?』




はい。ご機嫌なんです。





『そんな事ないわよ〜?』

『分かり易すぎですよ?』

『そうかな?』

『ハハハッ。
課長とうまくいきました?』




俊介、鋭いね。

いや、俊介だからわかるのね。




『……。』

『でしょうね。良かったですね。』

『うん。ありがとう。』

『はい、じゃあ、仕事です。』




書類、

ガッツリくれた。

俊介のヤツ、容赦ないね。




少し、俊介にも恋の風を…

と思って、






『俊介、
あんたも周りに目を向けてみたら?』


『え?なんでですか?』


『仕事も大事だけど、
女の子にも、時々目を向けたら?』




訳がわからんって、顔ね。




『はあ。』


『かわいい子があんたを
見てるかもよ。』


『えっ?マジっすか?』





あら〜、反応しちゃったね。

いいじゃん、若いんだし。

次期エースでしょ?

仕事も恋も頑張っちゃえ。





『ふふふっ。さあね?知らな〜い。』





うまくいくといいね。

瑠美ちゃん。








『宮野。』



俊介が将生に呼ばれる。






『今日は、営業に加藤を連れて行け。』

『加藤ですか?』

『ああ。桐谷は他に行くから。』

『わかりました。』





将生〜、聞こえたよ。

俊介と瑠美ちゃんの話、

覚えててくれたんだね。





さすが課長。

部下の意見も忘れないんだね。




ありがとう。





この先は若い2人に任せましょ。

仕事もしっかりやるのよ。




あら?

私、世話好きのおばさんみたいね。




まあ、いっか?

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