幼い頃の小さな約束




あたしが真っ赤になって、俯く。




亮太がゆっくりとあたしに近づいて、耳に口を寄せる。


亮太の吐息が耳にかかる。少し、熱い。




「・・・理沙が・・・その・・・えっと・・・」




どうしたんだろう?ここまでしておいて、亮太はなかなか言わない。


そういえば、ここ・・・どこだっけ?








「理沙、校門の前で・・・。良い度胸ね」



にこりともしない、固く結ばれた口。黒目がちな瞳。


長く、真っ黒でさらさらな髪。・・・京香だ。




すごい美人で、お金持ち。・・・って、ちょっと待って。






・・・校門の前?









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