幼い頃の小さな約束




着ている制服は、あたしの学校の物だから・・・。

同じ学校に、こんなカッコいい人がいたんだ。




あたしは、男嫌いなのも忘れて、彼に見入ってしまった。





携帯電話の光に照らされた男の子は、不思議そうに首を傾げる。

うわ、可愛い・・・。






男の子はしばらくすると、向こうへ歩いていこうとする。

ちょと、待って!無視なの?





「あの、ありがとうございました」



あたしがもう一度言うと、男の子は振り返って、呟いた。






「・・・うん」



これが、彼と交わした初めての言葉だった。








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