代償
書店によりたいと言って、勇人さんと分かれる。

なんも、用事はないけどね。


暫く物色する。
あ、新しい参考書ー。
新刊じゃない。
どうしよう。
って。
いらないよ。
上時が散々買ってくれたから。

『学力劣等なんぞ赦さん』
口癖だった。

いい勉強だったなぁ。
なんて、思ってたら。


「きゃぁっ!?」
後ろから思い切り抱き締められる。

へ!?
何何何ーー!?
誰!?
「はーい。お口チャック~♪」

………は、はーい?
「んっ!?」
「怪しく思われちゃうワヨ?」
口を手で覆われる。
そのまま、書店の奥に引き摺られる。
視界の端に、その人を見る。

あ?

「そうそう、いい娘だね」
いや、あんたが引き摺るだけで。
………何で。



部屋に入り、向き直る。
そう。
感動もない再会。

「文ちゃん、元気だった?」
「木屋………さん………」

キャーラだ。
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