代償
「………」
病室を出て。
「………文香ちゃん」
隣には、キャーラ。
凜音さんとユートさん、マスターは病室に残っている。
「───木屋総長」
似合わないね、僕には。
自分で言って、笑って。
「やっぱ、上時総長じゃないと。しっくりこないね。僕が総長じゃ、前橋組も可哀想だ」
「………前、言っていたよね、薄い氷の上の族って」
「そうじゃ、なかったようだ。続いてるし。総長は仮だけどいる。前橋組はいきているよ」
椅子に座った。
「………上時総長さぁ」
あの着物、着たとき、なんて言ったと思う?
決闘の時に着てた振袖みたいな着物。
着付けたのはユートだよ。
上時総長、
『………やりたくねぇな』
って。
喧嘩なんて、全く怖くないって人が。
負けたことがないって人が。
売られたら買う人が。
変だよね。
バンバン矛盾したりしてさ。
笑えたよ。
頭、大丈夫って。
そしたらさ。
「『これも、何かの代償だろうな』」
キャーラが、溜め息を吐く。
「代償?」
「うん。上時総長、言ったんだ。そう」
何の代償だろう。
上時は変だ。
死場所探したり。
変な代償。
貯金通帳、印鑑、手紙。
何がしたい?
盲目の私に、教えてよ。
あんたが、目隠ししたんでしょう?
「………上時総長」
「………」
「………そのうち、起きるよ」
「………え?」
「けどね。───多分、」
言葉を濁して黙る。
多分?
病室を出て。
「………文香ちゃん」
隣には、キャーラ。
凜音さんとユートさん、マスターは病室に残っている。
「───木屋総長」
似合わないね、僕には。
自分で言って、笑って。
「やっぱ、上時総長じゃないと。しっくりこないね。僕が総長じゃ、前橋組も可哀想だ」
「………前、言っていたよね、薄い氷の上の族って」
「そうじゃ、なかったようだ。続いてるし。総長は仮だけどいる。前橋組はいきているよ」
椅子に座った。
「………上時総長さぁ」
あの着物、着たとき、なんて言ったと思う?
決闘の時に着てた振袖みたいな着物。
着付けたのはユートだよ。
上時総長、
『………やりたくねぇな』
って。
喧嘩なんて、全く怖くないって人が。
負けたことがないって人が。
売られたら買う人が。
変だよね。
バンバン矛盾したりしてさ。
笑えたよ。
頭、大丈夫って。
そしたらさ。
「『これも、何かの代償だろうな』」
キャーラが、溜め息を吐く。
「代償?」
「うん。上時総長、言ったんだ。そう」
何の代償だろう。
上時は変だ。
死場所探したり。
変な代償。
貯金通帳、印鑑、手紙。
何がしたい?
盲目の私に、教えてよ。
あんたが、目隠ししたんでしょう?
「………上時総長」
「………」
「………そのうち、起きるよ」
「………え?」
「けどね。───多分、」
言葉を濁して黙る。
多分?