代償
ショッピングセンターで。
「文ちゃん、凜子ぇ~見てみて!!!」
………ハイテンションだねぇ。
いつにまして。
「全くバカなんだから。上時総長のご飯材料でしょ?買うものは」
………そう。
ゲーセンのユーホーキャッチャーにへばりつき、
「ね!ね!1回だけだからぁ~!」
………子供?
凜子さんは苦笑している。
いつもなのかな。
「ほら、文ちゃん困ってるよ。さっさと食品売場に行く!」
「えー………」
………えー、は、こっちのセリフだよ。
凜子さんが呆れる。

食品売場で。
「わあー☆」
………お菓子に夢中。
………本当に子供だね。
「凜子っ!」
「………1個だけだからね」
………ええ!?
買っちゃう!?
………へー。
まるで親子。
………凜子さん、ツンデレ?
………バカップル的な?
………よくやるね。

材料を買い揃え、ショッピングセンターのカフェで休む。
四の五をいわず、パフェを食べるキャーラ。
凜子さんはコーヒーをブラックで。
私はメロンソーダ。
………凜子さん、大人………。
「文香ちゃんって高校生だよね?家に制服あったけど」
頷く。
「あの制服さ、すぐそこの進学校?胸に校章の刺繍あったけど」
はい。
すぐそこの進学校です。
「成績は?ぶっちゃけ」
………1位です。
メールの画面に打ち込む。
「へー!!凄いじゃない!いいなー」
そうかな。
そんなに凄くないよ。
1年の頃は悪かったし。
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