ゆず図書館。*短編集*
さっきまで私が噛み付いていた佑の首筋に手を添えると、佑の身体がピクッと反応した。
でも、そんなのお構い無しというように、佑は私の身体をどんどん翻弄していく。
私の身体を這っていくその唇と大きな温かい手がすごく気持ちよくて、私はすぐに溺れていく。
“普通”ではない私を包み込んでくれる佑。
その口からはトゲのたくさんある言葉ばかりで甘い言葉なんか滅多に出ないけど、この甘い行為だけで私は十分幸せだ。
言葉にしてもらえなくても、ちゃんと愛されてると感じるから。
……あとは。
あなたの甘い血さえあれば、私は生きていけるの。
そのスーツの下の肌に噛み付く権利があるのは、一生、私だけだからね?
そして……私のこの秘密を握るのは、一生、あなただけ。
*秘密*