ゆず図書館。*短編集*
 

私の身体をソファの上に横たえると、佑は背広をバサッと脱ぎ、上から覆い被さるように顔を近付けてきた。

コツン、とおでこ同士がぶつかる。

その重さが少し苦痛だったけど、それは私のせいだし、と耐える。


「あー、ったく、クラクラするっての。おまえ、今日吸い過ぎ」

「だって、今日の佑イライラしてたし、たくさん血もらってもいいかなって思ったんだもん」

「そういう問題じゃねぇだろ。つーか、血を吸ったってことは抱いて欲しいんじゃねぇの?血が足りなくて抱けなくなってもいいのか?」

「え、やだっ」

「だろ?じゃあ、もう里桜の時間は終わり。次は俺の番だし、覚悟しろよ」

「んんっ」


昼間のツンツンしていた姿からは想像できないくらいの柔らかい唇が私に降り注ぐ。

 
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