桜雨〜散りゆく想い〜
 しっかり考えて答えを出さなければならない。他の誰でも無く、僕自身の問題なのだから。


 「うん……わかった。ちゃんと考える」


 決意と言えば大袈裟かもしれないが、言葉に出して茜に伝える事が僕なりのけじめだった。


 「ありがとう望……でも一つだけ覚えておいて――」


 ご飯を食べ終わってから、一通り片付けをして僕は茜の家を後にした。


 真っ直ぐ家に帰る気分にもなれずに、あても無く歩いていた僕はいつの間にか桜並木に立っていた。


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