桜雨〜散りゆく想い〜
 思いの他、香の家は駅から近く5分と歩かずに着いた。


 「ただいまー」


 薫さんが玄関を開けて中に向かって言うと、奥から


 「お帰りなさい」


 と声がして、パタパタとスリッパの音が近づいてくる。


 「お母さん、珍しいお客さん連れて来たよ」


 そう言うと薫さんは、玄関の1メートルの程後ろにいた僕に手招きをした。


 「こんばんは……」


< 153 / 202 >

この作品をシェア

pagetop