桜雨〜散りゆく想い〜
 「食べ終わったら今日は帰りなさい」


 それは茜ではなく宮田先生の口調だった。


 「……なんで?」


 「それは望の方が私よりわかるんじゃない?」


 茜から帰るように言われたのは付き合い始めてから、初めての事だった。


 「……わからない」


 「嘘。わかってるでしょ?」


 「わかんないよ!!」


 自分の声に僕自身が驚いた。


< 95 / 202 >

この作品をシェア

pagetop