桜雨〜散りゆく想い〜
 「今の望からは聞きたくない――今言われたら私は望の事を信じられなくなる……」


 僕は何も言えなかった。


 茜の言っている事は真実で、僕の心は間違いなく揺れ動き、想いを見失っていた。


 「望……私は責めているわけじゃないの、ただ望が好きだから――真っ直ぐ私を見て言って欲しい。ちゃんと考えて、悩んで、それで答えを出して欲しいの」


 「茜……」


 茜は大きな深呼吸をして話し始めた。


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