掌編小説集

*298.幕を引いたのは諦めたからじゃない

もういいんです!



そう私は叫んだ



真実を知りたかった

不正を暴きたかった



当事者である私とあの人は覚悟していた


けれど、あの人は殺された

証拠を持っている私は襲われ

庇った貴方は怪我をした



パニックを起こした私に

貴方はかすり傷だって笑う




けれど、もういいの


真実を知る為に
不正を暴く為に
今までしてきたけれど


無関係の
しかも貴方を
傷付けたくはない



だから、もういいんです
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