掌編小説集

523.過剰防衛ぐらいが丁度良いのかもしれない

貴方の告白を断ったのは

貴方が嫌いとかじゃないわ

むしろ大好きだよ

けれど私には継ぐモノがあるから

それには危険が伴ってしまうから

覚悟だけじゃ足りないから

貴方には安全に幸せに暮らして欲しいから

だから断ったの

断りたかったの

断らなければならなかったの

悲劇でも喜劇でもない

最初から物語なんて

存在しなかったの
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