掌編小説集

699.無知の知の環状

文化部の健脚な記者はレコメンドな取材の途中で目抜き通りにて一人の刑事と出会う

捜査一課所属なのにも関わらず無為な変わり者だと言われていて一癖あるその刑事は

歴史あるお家はんと栄えある御寮人が節季払を多用し過当競争する芸達者なこの街で

検知‐センサー‐と技法‐シアター‐を持ち独特のアンジュレーションを築いている

専横な風来坊のように所在不明をエスコートするような交わらない取材と事件なのに

流氷のように眉目麗しいフィールドサインに寄港するのと同じような小気味よい甘露

フリー素材のように出会う回数が増えていき仲良くなるのにそう時間は掛からなくて

フォーリーのクエッションはインバルブメントをカラーリングし淡い想いを抱かせる

吟ずる世界観や一説の憧憬は史実や公記の再興より引き込まれるのは無きにしも非ず

愛他性の有効射程距離が広すぎて自滅しかねない刑事へ色違いのクラシカルな御守を

容姿端麗な夜鷹と一夜の夢の色事も良妻賢母の後家と密通の夜伽も水揚げを猫騙しで

しまりのない顔で戸別訪問して粉をかけ品評してはハシゴして連チャンで買い叩いて

空前絶後にして嗜好の名器を湯通しの身請けで接収ししたり顔で素気無く収得すれば

低迷する身代は左前で物乞いの占有屋には際物を謀反の矮小な禿には収容して折檻を

告知事項ありと伝来し課金を補強させ開かずの間の誕生秘話の専売‐ネタ‐を追って

ごめんくださいと支持勢力の情報筋へインタビュアーとして接近し突端の核心に迫り

難関と目される政財官の軍資金の立証責任を果たすべく負けじと奮い起こす成立要件

要職にある暴君からの圧力では無く貪欲な悪童が忖度しただけで捉え方の違いなだけ

金の亡者である与野党へシームレスに配慮したら政争の具はメリハリのある複雑さに

新興勢力と絡まり合ってウォークイン帝国の勢力図がぶつかり合ってウォークスルー

隆起した岩礁を掘削し瓦礫の中から採掘して宝物庫の出銭である助成金の関門を突破

一席設けた団欒はフットインザドアのフランクリン効果にて筆が乗って焚書をREC

停戦へ譲る気がないならば断念さえ奪うまでと鉄砲玉へ前金で策を打ち袋叩きで排撃

疑いようのない事故と出来すぎた話で暗礁に乗り上げても白旗は上げず気を取り直し

追い剥ぎによる厄災から難を逃れられる救命ボートと脱出ポッドはリンクが欠如した

むくつけな看守の居る保安検査場を擦抜けたお揃いの傍証が制札の特記事項の矛と盾

馬酔木の布教‐ネタバラシ‐を奉納して鎖状に鎖錠を重ねて念には念を入れた委任状

逆襲の配陣は協働にて歴史的な背景がある環濠な防護壁に抜け穴‐ポットホール‐を

地殻変動並みの砲撃にも正念場と頷ける提議を推進して予備軍にさえ警鐘を勧告する

群を抜いた切れ者の弁護士を通じて関係各所と連携を取りつつ総合的に判断した上で

慎重にお答えすることを検討させていただこうと周知の事実にも関わらず色めき立つ

リベンジマッチに嘶いて齧り付いたトレイルは裏拍を感知した親身‐ホットライン‐

カットバックのスイッチャーによる棋譜の航路図は現地集合の解散でホワイトナイト

クリフハンガーで緞帳を下ろすことなど床上げに際した比喩話法の漫談よりできまい

耳を凝らす刑事は寂声の奏法にて豪傑な技巧‐ヴィルトゥオーゾ‐一択である記者へ

波打ち際の臨界で復位の帰途に着いたファーレとファビュラスな音程で端唄の合奏を
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