掌編小説集

710.満身創痍の勇姿

シックで食欲旺盛な通(つう)のフリが上手くいっていると油断して
ゲストハウスでもカプセルホテルでもない宇宙船に倣う揮発な摩天楼
コクピットからキャビンまで全て鏡張りの対数螺旋のマルチデバイス
視覚と聴覚と嗅覚と触覚と味覚の五感をビシバシと慢性的に刺激する
持続性の手返しと高性能な機能性を持つ接地面が甚大な人感センサー
外在の準拠との温度差を埋めようとしてパーカーのフードを被っても
植木鉢の観葉植物さえ流体力学的に安全設計ではないと学者も博士も
ヘリコプターにヘリポートも不要で若人に瞬間移動出来る空間であり
漁港‐ブルペン‐の中洲から街頭演説で同率のかわりばんこでも満席
暖簾をくぐる茶屋街の木虫籠より初出しから良い回転率で舌鋒は酸化
生まれ持った生まれたままのビジュはスクロール的に商品化されても
快速も鈍行も各駅停車のタッチパネルで楽しめる二人羽織の人工透析
瞬間接着たる所以は守護霊を思わせる福の神の薫香を煮詰め煮しめて
手塩にかけて育ててきた選りすぐりとディープなシャンパンファイト
取って置きと見繕われた世渡り上手感満載であるこの勝場(せりば)
露天風呂の浴衣と天守閣の着物でその日のうちに日を跨いで遊覧飛行
先を急ぐおまじないの引きが強過ぎて一夜を明かしそうな緊急事態は
気兼ね無い目合いに笑い事ではない心臓破りは目に毒も気を紛らわせ
列挙にふりかけられ癖になりそうな余波が決壊を誘う煙幕を振り払い
ブラックマーケットに打検であってもベタ凪に実像を捕獲しなければ
険しい曲芸‐ギャンブラー‐でもノーチェンジでブザービートの体幹
サシ飲みの支道から急接近すれば本道の物語性はキャニオンを切通し
看破されたことに動揺しても取り出した刃物を猫じゃらしとするから
取り上げて止めさせようと手を掴めば勢い良く向けられたものだから
避けることは出来たけれどもワンプロのように揉み合って足も縺れて
ステイと待つこともないまま何かに滑ったのを見逃さずに押し倒され
重力にも逆らうことなくむしろ加味されて小走りどころか思いっきり
最早刺すことなく貫こうとして目の前に迫る刃先はさながらサミング
高砂の古き良き縁戚の枠組みさえ絶筆にブロックして人攫いで寒暖差
引き継がされた負の遺産‐システムエラー‐に深入りするしかなくて
楽しめるとか楽しいとかではなくあえて楽しむと思い込むしかなくて
股が緩いサウンドホールと響板のFホールはカンフィーな名人芸にて
ぐうたらな弦であってもピューレを引き出せる腕前を持っているから
その乳茸刺なカリキュラムに知的好奇心が擽られサブスクの取引成立
住み分けた身分社会には札束ビンタの婚外交渉‐オープンマリッジ‐
じっとりと待ち構えたら血管を浮き立たせたシリンダーをトルネード
1on1で待ち侘びた見せ合いの初体験は健闘を祈るの心配をよそに
お主も悪よのぉと悪代官様のマントルから胸を借りた華奢な小娘への
ファーストドリンクは往復ビンタのスキンケアでまるで専門店のよう
異彩を放つ黄金世代のCANインベーダーは増設の上掛け持ちしても
千差万別で十人十色のデットスペースにシンデレラフィットして完売
オールスターで手分けして待ち構えてみても許可取りすら難しいのは
烏合の衆ではサービス問題もビンディングは仏作って魂入れずの横着
御隠居すら食が細くなってブラッシングさえ静止画の放心状態で撃沈
ブティックのワークシェアリングはショッパーが自信喪失で赤っ恥に
待ちくたびれて既刊の引き出物さえ持ち逃げして離合集散の雲集霧散
敬意漸減の法則で多頭飼育崩壊でもめくるめくに引く手あまたなのは
覇権の戦国時代に際し時代考証の清書がいたく丁寧で芸が細かいから
グランドチャンピオンとしてタイトルを獲らされながらじわじわ昇格
建玉は戻れなくなる代わりにそれなりのポジションへと利食いされる
深酒のカルデラから助けようとしてくれた者達が過去にもいたけれど
逆らうように逃れたいと逃げようとするだけで雲行きが怪しくなって
ナンバ歩きであっても不確定要素を機に邪気を孕んだ起爆スイッチに
チェックアウトしようにも秘結でぶっ倒れても生き返ってしまったら
そう思うと恐怖でしかないから正体不明になるまで長尺に刺しまくり
フュージティブとなって逃亡できる時間を真っ先に確保したとしても
下書きから印字まで償いを否決して掘り出しもせず償おうともしない
有用なフリーランスの英傑なフリーライターの七つ道具の花言葉ごと
木箱へと放り込んで釘打ちして隠しトラックと同じように行動すれば
機密情報のイニシャルごとぶっ潰せて更には飲まざるを得なく出来る
他の関係無い誰かが傷付くだけだとどこまででも追い掛けてくるから
あれだけの火加減で興奮させてしまっては何をするか分からないから
血が騒ぎ大気の状態も不安定になりナブラで電池切れを誘われる前に
なすがままに話を合わせえずきながらも話をして冷静‐クーリング‐
マイクロウェーブからコールドチェーンにて霜が降りる程のチルドへ
落とした評価は積み直ししながら増額した結果で返すと頼み込むだけ
何も知らないままいれば生きているだけで笑えるとも思えないけれど
よーいドンのピストルから誰も彼もが指を差して寝泊まりで遮っては
魔性な夢が去った後に残る読後感は抑留拘禁でひとつ屋根の下の現実
ギャルでもギャル男でもチーマーでも猛獣でさえもバイブスを上げて
ワンランク上にありつきたいと遊び半分の腹ぺこにハンターが餌付け
カラオケボックスのデンモクで時間の許す限りディスカバーして捕食
調合にこれ以上関わらない方がいいとこういう生き方しか出来なくて
陰影の代わりはいくらでもいるとそういう風な言い方しか出来なくて
マロリーワイス症候群に良かれと思い今のままで良いのかと問うても
現状すら逆回転で上手くいっていないのはあんなことを言ったからと
言ったところで意味が無いし言わなくて済むなら言いたくもないから
警察官だと見抜いていてもそれが望んだ通りに叶った試しがないから
別の誰かのデスティネーションがWhere are the goods.とスピンして
キューを出されてしまうなら話は変わるけれどもとマシンガントーク
コインロッカーの仕掛人となってチャンネルに最注目させるしかない
邪魔者は排除しろと受けた命令に従っているだけなのに苦しそうな顔
細則までドライアイなのに犯す罪悪感から抜け出せなくて線状降水帯
平気な顔をしては事もなげなフリすら出来ない程に隠し切れていない
人道的な真理をかぶりつきで見られたから両面刺繍の間を取り持つと
自然派故に何も知らせずにのしのしとその動向を見極める時期は過ぎ
間を取るように釘を刺して単体に骨太の押忍も信頼しているからこそ
側転のバク転からバク宙へとブイブイ言わせて遠ざけられないように
メタセコイアの育ちが出て限定的な役割分担を自己判断してしまって
せかせか乱獲させられた商戦の凡ミスで悲しい結果にならないように
裾野に注意を呼びかける程度には認められていると理解しているから
後で長回しでこってり絞られると分かっていても主体的に決定付ける
潜入捜査官だという二刀流をバラして親玉ごと一網打尽にしたいから
おめかししてゴン攻めに出征して得度の復員の為に協力をふっかける
大意に絶句するのと同時にどう反応して良いのか分からずに困った顔
ぽかんとごたつかれても持久力のある零か百か思考の台風の目だから
傷付いて笑うボンクラの強さとか守るために奪うバカタレの正義とか
奥ゆかしい癇癪玉の気持ちがちっとばかりは分からなくもないけれど
えげつないけだるさのひび割れであったとしてもこれから先の表具の
お召し物である歩法の彩色を節々にどう着色しながら生きていくかは
湯もみをしながら再録‐クルージング‐する張本人でもある自分次第
歯抜けな隘路‐インデレクト‐でも絶対にやり直せるから諦めないで
癖(へき)で勝手に無理‐インポッシブル‐なんだと決め付けないで
出来る限り出来ることは何でもするからという絶世のスタイリッシュ
その欠片なんて微塵もないけれど迫力満点で力が湧くガチンコな言葉
即断即決即実行の物議を醸す原始的な駄犬で構わないパワープレイで
スパーンとぶった切るようなパンチ力に心を打たれて期待外れに命中
押しに強いクリスマスローズは押しに弱くてもアスチルベと変われる
騙すつもりが騙されてミイラ取りがミイラになっているのではないか
能弁な人誑しの貧欲でわざとらしい二部制なのではないかと注意事項
寝てしまったら朝になって起きなくてはいけなくなるから寝たくない
お見事な募集中に対して違和感は無いとしてもいや違和感しか無いと
一様に光ファイバーの一時停止をつらつらと重ねられてもばっちこい
並行坑道の群狼作戦に測候所‐ファームウェア‐はグリーンバックで
それでいて岩室の電線‐ワイヤーハーネス‐の養生はハーフラップに
期待した方が負けのショッキングバラッドの台所事情は溜金のたまり
ブルーカラー未経験のホワイトカラー一筋でも踏み板に甘んじていて
金脈を産出する三つ星‐ステータスシンボル‐をガヤから嗅ぎ付けた
実感がこもった身を寄せ合うような境地に水増しの庇護欲へ価格設定
テストランは気が向いたらのタイムロスな空模様から引き出すカンパ
言ってみるものとプラスワンのピンチヒッターよりナイスアシストで
欠陥を減量出来るこのリールは人命救助‐シンデレラ・ストーリー‐
パヤオを手売りしてぼろ儲けの倍倍ゲームを総嘗めへとトローリング
そう思わせておいてもったいぶるように係留して搾り取ると話し込む
雪辱を果たし屈辱を晴らす為には言い出しっぺが伏在した史跡が必須
演出をつけたことに対して何をするか分からないから様子を見に来た
エース級の単独トップが色濃く打ち出した水をあける相互補完の製法
総組の重機から送球を端折ったブロック構造に説明過多の打倒な造船
差し障りのある不正利用に雪崩を打っても持ち越し包括承継を再利用
売れ残った打てば響く教え子のひな壇は食べ歩いてアンチエイジング
目新しいホットスナックを製造し食欲増進に名乗りを上げて仲間入り
伸び悩むこともしめたものと真実相当性を瞬く間にやってのけそうで
アルキメデスの原理が解禁されても進水で取り外されるのではないか
移動式の一枚板へ搭乗に船殻の耐久性と浮力の滲出性はと激論の応戦
スペクターなシリコーンであるから印税での移住など考えていないし
山を張る猫の目天気でも引き摺り下ろして蜻蛉返りにはさせないから
レアキャラトップ賞を廃盤にジオラマの空中戦を廃番に続編は長持に
首根っこを掴む多角的な施策‐オペレーション‐は送信取消さえ暗譜
罠に嵌められた風を装われて追い詰められるのがデフォなのは噴飯物
立ち入り禁止ははっちゃけて何をするにも食べ損ねることはないから
エアロなスライディングステップにてレンジャーなライダー気取りで
そっちで作り上げたこっちに不利なルールの中で無様に負けてやんの
朝採りの食リポと朝採れの食レポのスクリーンタイムは再放送される
向いていないのも挑戦して失敗した結果があるからこそ分かったこと
親衛隊の愛唱歌に忘恩のシンガーソングライターには何も言うまいと
証拠のメモリーカードは踏み潰されてサムズアップからサムズダウン
射的‐ダーツ‐の的にデコピンをしたりリンボーダンスを躍らせたり
レーザーポインターで縄跳びをしたり吊り下げてビリヤードをしたり
相貌‐ルッキズム‐は白鍵の玉乗りか黒鍵のくす玉かの博打をしたり
師事は教壇から防音‐パントマイム‐でヴィシソワーズをデトックス
ゾクッとするエノコログサのリターンマッチに鼻歌‐カンツォーネ‐
パブリックビューイングのオーディオからは昔話に花が咲きまくる程
でろでろで青い顔をしたパフォーマーの慣れ親しんだパーカッション
見覚えのある物損はしゃーなし精神的苦痛は性格の不一致で練り込む
出来立てほやほやの試作品から持ち上がりカルテも顔の怖い人預かり
身辺警護ごとレーザービームで貫けと命令されるリガード・リングが
恋文‐セレナーデ‐とソフトタッチな口付けを残して向ける先は自分
顔のうるさい人が人類みな兄弟と言ってもグリーンフラッシュな愛恋
おあいこにすらデュースな丘稜から打鍵の工芸品を出させる為の膝枕
肝を冷やす危ない時でも打つ手が無くなっても下がっていろと言って
フィードの一番前に立ってばらけても皆を守れる位置に陣取っていて
淀んで澱んだこの甘い考えごと先走っても頭を悩ませながら守る為に
ポップな賭けに出てもそのスプラウトで間違いなく守られるけれども
周囲にどれだけの被害が出るのか想像すらつかない逆に危険な命綱で
インテレクトでもエキセントリックでもないのに泣き腫らした番付を
サイクロンやハリケーンにも劣らないスピードと威力でひっくり返し
火事場の馬鹿力で拘束をぶち破って引き千切って行幸に飛び込んだら
新たな一面を知るスタイリングを寸前で止めるエアインのホームイン
矢も盾もたまらないからお邪魔しますとか恐れ入りますとか無いまま
うおぉーと雄叫びを上げながらバッタバッタと彫刻を砂絵にしていく
ライトアップされた高架下からのパノラマビューはスタントマン超え
二十四節気型に即完させていれば書き割りに押っ放り出されたままの
ませた絶品‐メメント・モリ‐がショボンへピンセットで雨粒を内需
無作法なネットサーフィンなどはせずに思慕へ一点集中であったから
七夕の短冊は黒や紫に白の添加と青や緑に黄の累加で混色された赤に
メリットは分からないけれどもデメリットが見当たらないと洒々落々
和風月名の行雲水流は筒音‐ガンショット‐と共に柱に激突して一服
足止めを食らっていたはずなのに駆け付けた援軍と二拠点で全員逮捕
あとはこちらで全て引き受けるからお連れしろと納涼を水浴びに奨励
身を案じられれば頭が少しクラクラするだけで怪我は無いと掠れた声
助かったけれども携帯は捨てられ連絡が取れなかったのにも関わらず
何故と不思議がれば麦わら帽子の径間から盗み見て覚えていた連絡先
隙を見てモジュラージャックの代替に慫慂するメッセを巻きにて送信
ダッシュ記号のツーカーもモスキート音のトレッドでプラスしたから
象牙の塔‐ゴーストタウン‐の最前列が雨模様であっても功を奏した
恩知らずとわらわらヤジを飛ばしてクイズ形式に及び腰を沸々と誘引
観念的競合を保定して時代背景すら証拠は無いからと余裕をぶっこき
ホープなアイテムの保有を確実視して敵意帰属バイアスだと省令する
ビクッと肩を震わせて縮こまる身体と怯えて強張る顔は青ざめていく
遮るようにスーツの上着を震える肩に掛けてしゃがんで目線を合わせ
監獄へとぶち込んで二度と近付けさせないから安心しろと強圧を弾圧
しかしながら存在が漏洩し意図も悟られていたなら証拠は既に移動済
悔しさを滲ませながら証拠の在処を探そうと切り替えに食指が動けば
会話からある程度予想はついているけれどそんな寄り道は必要無いと
鎮守が掛けてくれたスーツの上着の内ポケットを指し示して取り出す
硬券に恵みの雨でもダミーなど用意している暇なんて無かったと驚く
踏み潰されたのは正真正銘本物だけれど図鑑のようなダミーではない
いつか摘発して逮捕しに来てくれると信じて常々コピーを取っていた
一部でも一割でも無くほぼ九割方アウトな闇を新しく生み出し続けて
ホワイト案件と切り抜きにありとあらゆる汚い手を使って罪を隠す度
あったはずの未来は塗り潰され断ち切られ閉ざされ誰かが不幸になる
天罰が下るならまったく関係の無い他の人を巻き込まないようにして
コストカットに死にたくて深みを出すのは死んだあとの方が良いから
神様が本当に居るなら手仕舞いに御仕舞いにして罰を下してください
何も知らない知らされていないならば事情聴取に立ち会い解放を約束
正義の裁判官気取りでも無いけれど必要無い権力を奪い取るしかない
震えていなかったのはモジュールとしてミヤコスワレとなる気であり
車線変更の亡命などは端から頭に無くてラストステージにするとして
キャンパスライフはキャンドルにして最初から死ぬつもりだったから
一度徹底的に調べられたところをラグランジュ点に守備範囲とすれば
隠されたものを発見されるリスクは自然発生的に限りなく少なくなり
手癖の悪さはカジノを機密費にする程の神技かつ結構演技派でもある
二転三転一泡吹かせる逆転劇の方程式へスタンディングオベーション
ファンドマネージャーにすら勧奨の気候‐パッション‐をありありと
ピュアなテクスチャーに阿保の一つ覚えの怖いもの知らずの級数表で
相対音感でジンテーゼを絶対音感でアウフヘーベンをサステナブルに
煙火のような化学反応を含んだ真っ直ぐで純粋な瞳は目の保養であり
その配合比に似ていて目に浮かぶのは昔近所に住んでいた家の飼い犬
好きですとお熱なストックの鐘の音に日常生活から喪失してもらった
その実感をようやく出来るならばやり直せると信じて生きてみますと
プルメリアのリキッドを根付のストラップに含ませてシランの腕章に
起訴はされたけれども惜しみない捜査協力と諸々の事情での情状酌量
執行猶予つきの保護観察処分なのは報復から守る意味合いが強いから
花が好きだから出来るならば花関係で働きたいという希望を保護司が
根無草にならないよう尽力して叶えてくれたから社会復帰を果たせた
この時代悪い噂ほどすぐにバレてしまうからエコロジーは包み隠さず
良好な関係を築き上げたからこその気付けた違和感と取り上げた包丁
相談の約束をして別れた翌日に駆け付けたのは救急車と野次馬と警察
凶器に付いていた指紋が一致して楽観視にはすったもんだの恨み節も
やけ食いの瞬発力でやらなきゃいけないことを考えなきゃいけなくて
その線もあるかもしれないから悪しからずだと任意で事情を聞こうと
艦隊と二分して捜索したけれどもお店は定休日かつ自宅にも居なくて
長打で追い掛けても強肩で追い越したのか星的の流木は猫のゆりかご
その居所はどこにも不在の中で貫通するは着信‐コンタクトコール‐
何で面会を拒否したんだとかこっちはめっちゃ会いたかったんだとか
そのくせ差し入れの名刺は今でも大事に持っていて連絡してくるとか
色々聞きたかったけれども色々言いたかったけれども何でもないから
朝ぼらけに見習いから独り立ちしてくれていたんだからそれでいいと
脅しておこぼれにあずかりながら追い詰めて傷付けた受益者の悪漢を
茂みに注視しながらフルチャージで必ず逮捕するからと一存でも誓約
話は終わりだとでも言うように立ち上がったから腕を掴んで引き止め
どこに行く気だと何故目を見ようとしないと合わせようとはしないと
婀娜婀娜しく無いのにあの頃と同じ雰囲気を纏っているから措能わず
話を聞き守って助け出してくれて一緒に考え道を示して導いてくれて
過去を受け入れて接してくれている良い人過ぎてもったいないくらい
もう誰かを傷付けなくていいしもう誰も自分さえも傷付かなくていい
情報提供することで守れてもいるからここに居ていいんだと保証する
侵害している罪悪感を擁護するための使命感として捨象をすることで
心のバランスを取ってなんとか保っていたけれど罪を償ったからこそ
チャイルドロックは崩れ去ってしまい対(つい)の感情は情緒不安定
バスタブでさえ絵になるフォトスポットの銀世界は腕枕のおまけ付き
大名跡の合従連衡は引き算の美学で保有個人情報をドライフラワーに
明かされた過去と現在の身分の情報は回っているから本性は隠さずに
遠退いても近付きたくて誘っても誘われたくて魂を込めた本腰だから
アイコンタクト出来ないのは後ろめたさでは無く口止めをされたから
話してしまいそうでとはにかむものだから種々飲み込むしかなかった
商売柄に見聞きするのみで裏付けられないから口の固さが増すばかり
内視鏡の砥石で微粒子‐ナンバープレート‐を手仕事で認知度を上げ
独り歩きした温かみのあるムースを適時マドラーで田園風景に戻して
社会的地位の縁側から貨物‐ガレージ‐の秘密保持をブレンダーする
贈収賄のスチーマーはもう一息でも放課後からのレーダーは一朝一夕
心に秘めているだけだったけれど千羽鶴としてお役に立てて良かった
何かと理由を付けて家を訪れては他愛ない時間を一緒に過ごしていく
下の名前で呼ぶのは名残であるだけなのに訂正しないからそのままで
変わらない関係性は放っておけない心配から来るものだった筈なのに
何者でも無い普段の素が知らない内にいや知っている筈の内にである
花に興味なんて全くと言っていい程無かったのに花屋に頻繁に通って
機嫌がステルスマーケティングから口角泡を飛ばす程に分かりやすく
スイッチでもありリラックスでもあることにいつしか変わっていった
目覚めて頭痛に顔を歪ませれば酔っ払いの介抱には慣れているからと
記憶が無くなるまで酔っているのにも関わらず来てくれて嬉しかった
彼方に目移りどころか此方以外眼中に無いから正式に付き合いたいと
警察官と犯罪者だから会うべきではないしもう会いたくないと言って
速度超過の社会現象に度を越した花芽の条項さえ一発OKだったのに
後程にも他人ばかりなのは相変わらずで筋トレの限界に挑戦するべき
押し返すようにそっと閉じかける扉を押し出すようにふわりと開いて
一歩中に入って抱き締めて第一号になってやるからと欣然な作戦会議
捻くれ者には惜しくもあと一歩及ばなくてお買い求めくださいと脱色
扉が軽やかに閉まれば一生に一度の娶せへはご期待に添えるようにと
優しさでは何だか物足りなくて大好きでは充足感が欠けてしまっても
四季折々の地上絵‐ステンドグラス‐にチームメイトも食卓を囲めば
シナントロープな会期末の中でもミラーリングなペチュニアになれる
< 710 / 719 >

この作品をシェア

pagetop