掌編小説集
730.ルコウソウの外部入力
廊下で壁に背中を預けてブレイクタイムしていると、君が通りかかって忙しいと聞いていたけれどどんな感じと話しかける。
けれど君は返答しないばかりか俺の顔をじっと見つめているから、どうしたんだろうかと思っていると。
「キスしてください。」
「え?こ、ここで?」
誰かがいつ何時通るかも分からないところでしかも職場で、普段冗談も言わないような君が真顔で言うものだから、驚いて反射的に答えてしまった。
「嫌ならいいです。仕事中にすみませんでした。」
「え、いや・・・あ、えっと、こっち。」
あまり表情は変わらないように見えるのにしゅんとしたのは読み取れて、落ち込んだ姿の可愛さで働かない頭をフル回転させて、左右を見回して確認してから、人目を避けられる物陰へ手をひいて引き入れる。
「これでいい?」
「ありがとうございます。これで頑張れます。」
数秒にも満たないリップキスなのに嬉しそうな満足気な表情をした後、何事も無かったかのように仕事へ戻っていく君の背中を、唐突さそのままに見送るしかなかった。
体の力が抜けて少しひんやりとしている壁にもたれかかったけれども、唇の感触は残ったままだし火照って心拍数の上がった体はしばらく冷めそうにないな。
けれど君は返答しないばかりか俺の顔をじっと見つめているから、どうしたんだろうかと思っていると。
「キスしてください。」
「え?こ、ここで?」
誰かがいつ何時通るかも分からないところでしかも職場で、普段冗談も言わないような君が真顔で言うものだから、驚いて反射的に答えてしまった。
「嫌ならいいです。仕事中にすみませんでした。」
「え、いや・・・あ、えっと、こっち。」
あまり表情は変わらないように見えるのにしゅんとしたのは読み取れて、落ち込んだ姿の可愛さで働かない頭をフル回転させて、左右を見回して確認してから、人目を避けられる物陰へ手をひいて引き入れる。
「これでいい?」
「ありがとうございます。これで頑張れます。」
数秒にも満たないリップキスなのに嬉しそうな満足気な表情をした後、何事も無かったかのように仕事へ戻っていく君の背中を、唐突さそのままに見送るしかなかった。
体の力が抜けて少しひんやりとしている壁にもたれかかったけれども、唇の感触は残ったままだし火照って心拍数の上がった体はしばらく冷めそうにないな。