隣のクラスの猫系男子






家に着き、入る前に杉宮くんに言った。


「入ったら手洗って、除菌のを手につけてくれるかな」


「わかった」


私が飼っているのは、ロシアンブルーという灰色のニャンコ。


名前は、ルナ。


ロシアンブルーの特徴は、主人には忠実で大人しいこと。人見知りが激しく、警戒心が強くて慣れるまでに時間がかかる。でも、気を許した相手には愛情をもってとても懐くのだ。”ボイスレスキャット”と呼ばれるほど、鳴き声をあげるのが少ない猫である。


「ただいまー」


「お邪魔します」


玄関の扉を開け、靴を脱ぎ、洗面所に向かって2人で手を洗っていると、ルナが私の足にすり寄って来た。


「ルナただいまー」


手を洗い、除菌のジェルをつけた私は、しゃがんでルナの頭をなでる。


「沢井さん、終わったよ」


「じゃあ、リビング行こうか」


そう言って私はルナを抱えてリビングに向かい、その後を杉宮くんがついてくる。


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