隣のクラスの猫系男子



「飲み物はコーヒーでいいかな」


「あ、ありがとう」


ルナをおろし、杉宮くんにソファに座るように促して、私はキッチンに向かう。


杉宮くんが家にいるなんて不思議な感じ……


インスタントのコーヒーを2つのマグカップに入れ、お湯を注ぐ。


こそっとリビングを見ると、杉宮くんはルナのことをずっと見てるだけで、ただ自分の方に来るのを待っているようだった。


そして、ルナも杉宮くんをじっと見ていて、様子をうかがっているように見えた。


とりあえず私はコーヒーと、一緒に用意したミルクと砂糖を持っていき、杉宮くんの近くのテーブルに置いた。


そんな私に気づき、杉宮くんはこちらに顔を向けた。


「はい。お好みでミルクと角砂糖をどうぞ」


「…あ、ありがとう」


そう言って杉宮くんは、角砂糖2個にミルクをたっぷり入れていた。


「あ……コーヒー、苦手だった?」


「うーん、そうじゃないけど、甘いのが好きだから…」


「そうなんだ」


甘党なのかな?ココアのが良かったか……


私は杉宮くんの隣には座らず、ソファの前のところに寄っかかりながら座った。


「…広い家だね」


周りをキョロキョロ見ながら、杉宮くんが言う。


「あ、うん。お母さんがこういう家にしたかったみたい」


「使い勝手よさそう」


「うん、掃除大変だけどね」


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