盲目少女と人斬り集団

夏海『さてと、閑梛さん、あんたはこれからどうするんだ?』


閑梛『屯所に戻ります。』


閑梛は夏海の問いになんの間も無しに返事をする
さすがのそれには
夏海も冠城も驚いた

自分の瞳を斬ったのは壬生狼、新撰組かもしれないのに
それでも尚、彼処に帰ると言う閑梛


閑梛『私の居場所は彼処なんです。
早く帰らなきゃ、、、』


閑梛は立ち上がろうとするも脚に力が入らずふらつく


夏海『今はまだ休んでいろ。
それと、無闇にその髪を彼奴等に晒すな
鬘は被れ
それと、名を変えろ
凉梛、そう名乗れ。
一度彼処から逃げた奴を快く受け入れる筈はない』


夏海は閑梛を優しく布団へ寝かせると
子供に言い聞かせるように言う
今はまだ安静にしていないと傷口が開くうえに
貧血で倒れてしまう危険があるため
数ヶ月は此処で休ませて
目が見えなくても過ごせるよう特訓が必要だった


冠城『そうだな、しばらくは此処にいろよっ
新撰組には俺の友人がいるんだ
何かと情報は入ってくる
あんたの身の安全がわかったときには知らせるよ』


冠城も夏海の提案に賛成しては
そろそろ店に戻らなければ行けないからと立ち上がり
閑梛の頭を優しくなでる


冠城『毎日見舞いに来てやるよ』


閑梛『うん、ありがとう、冠城のおっちゃん!!』

閑梛歯大きく頷き口元をゆるませ笑った



そして、冠城は自らの店へと戻った

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